今日の釜石は数日ぶりに太陽の光が注ぎました。その久々の陽光の下、午前中はこれまた久々にのんびりとした気分で新聞をゆっくりと読書欄を中心に抜き読み。『朝日新聞』には『1Q84』(村上春樹)の書評がさっそく出ていました。

午後。“ひと寝”したあと、ビートルズの「アビーロード」のように横断歩道を渡る4人が描かれた表紙を眺め、「はじめに」だけを読んだままにしておいていた『鴨川ホルモー』(万城目学)を、痛快なスピードに揺られながら読み切る。

京都のまちや歴史、陰陽五行説を下敷きにした、「ホルモー」と呼ばれる“対戦型の競技”の仕掛けもおもしろいし、主人公の安倍の恋の行方も気になる。「勧誘、貧乏、一目ぼれ」は、何も「このごろ都」だけでなく、新入生であふれる春の頃のキャンパスには、いつの時代も津々浦々で流行るもんだ。

そして作中にひょいひょい顔を出す作者のセンス・オブ・ユーモア。中でも“チョンマゲ”は強力なバクダンだった。日本人としてのアイデンティティを模索する帰国子女・高村が、土方歳三に憧れを抱いて総髪にするあたりは「さすが京都」とも思わせる微笑ましい展開だが、あることをきっかけに、月代(さかやき)を剃ってチョンマゲを結い、そこに日本人としての自分を見出すというとっぴさには声を立てて笑った。

ところで表紙の4人ですが、2人めのチョンマゲ姿が高村、最後のメガネの女性が“凡ちゃん”こと楠木さん、残る2人のうち1人は安倍だとして、最後の1人は誰なんでしょうね。スガ氏かなーともしばらく考えてみましたが、決め手がなく、分かりませんでした。(ちなみに、「アビーロード」の場合、先頭からジョン、リンゴ、ポール、ジョージですね)

鴨川ホルモー

万城目 学 / 産業編集センター



アビイ・ロード

ザ・ビートルズ / EMIミュージック・ジャパン


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by suiminsha | 2009-06-07 21:05
ハルキさんの『1Q84』が何やらものすごいいきおいで売れまくっているとか。地方の小書店が盲点ではと思いきや、最寄りの書店にもありませんでした。

<爆発的なヒットを続ける村上春樹さんの新作長編小説『1Q84(イチ・キュウ・ハチ・ヨン)』(新潮社、2巻、各税別1800円)の1巻が、品切れとなる書店が続出している。

 オンライン書店のアマゾン・ジャパンで、2巻計2万部が予約期間中に売り切れるなど、発売前から人気が沸騰していた同書。発売元の新潮社は、初版で1巻を20万部、2巻を18万部印刷していたが、発売前の5月22日に各5万部を増刷した。発売後も反響が大きく、同社は4日現在、1巻を7刷51万部、2巻を同45万部まで増刷したが、市場に出ているのは2刷分まで。印刷が人気に追いつかず、書店で品薄になっている。

 新潮社は今回、村上さんと話し合い、書名と発売日、価格以外の情報を発売まで伏せ、事前に読む社員を限定して情報管理を徹底していた。出版ニュース社の清田義昭代表取締役は「ハングリー・マーケットの典型。タイトルの意味も、内容も分からず、読者の飢餓感が高まった」と分析している。

 一方、小説に登場するジョージ・セル指揮、ヤナーチェック作曲の「シンフォニエッタ」を収録するCDについて、発売元のソニー・ミュージックジャパンインターナショナルは数千枚の増刷を行った。

(2009年6月4日23時11分 読売新聞)>

なるほど“読者の飢餓感”とはすごい表現だが、じつに言い当てているなあ。
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by suiminsha | 2009-06-05 00:29 | 読書