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午前に盆棚の片付け。あとは夜に送り火を焚けば、盆もおわり。夏休みも今日で終わりにして、明日からまた仕事。友人たちと陽気に飲み明かしたり、甲子園に流れる「若き血」に歓喜したりと、久々に活字からは離れたが、友人たちとの時間や母校の応援歌のメロディーにエネルギーをもらったなかなか明日以降につながる数日であった。

「本」を欲している自分が分かる。アタマのウォームアップにはちょうどいいかと思い、読みそびれていた『誰も知らない 世界と日本のまちがい』(松岡正剛/春秋社)を購入してきた。これから夕方までその編集の妙味を味わいながら松岡ワールドにたっぷり浸ろうと思う。
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by suiminsha | 2008-08-16 14:16
ゆうべ(4日)の「ニュース23」(TBS)にインタビュー出演していた細野晴臣が「つきることのない音楽の魅力は?」と聞かれ、考古学にたとえながら次のようなことを答えていた。

「あらゆる音楽を聴きつくしたと思ったけれど、それでも過去の音楽の中には遺跡の中に埋もれた宝のように、自分の知らない素晴らしい音楽がまだまだある。そんな音楽に出会うとうれしいし、自分もまた何かつくりたい気持ちになる。僕の場合、無からは何も生まれない。そんなふうに出会った音楽が(創作の)刺激となるようだ」

そう、そう、と僕はすごくうれしくなった。宝を見つける楽しみ、さりげなく見せる創作への意欲。そして何より還暦を迎えてなおいっそうの音楽に対する好奇心、愛情。

もちろん音楽に限ったことではなくとも、何かそれに向き合う意思さえあれば、年をとることも案外楽しそうだぞ(これは一般論ではなく)。どんな宝の山がどこに眠っているのか、探してみなけりゃ分かったもんじゃない。

「細野晴臣」、この方にも少年のころから大切なことを教わりっぱなしである(いちばん見習いたいのは、あの飄々さではあるけれど)。
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by suiminsha | 2008-08-05 20:50
単行本が出た当時(2005年だそうである)から読みたいと思っていた「阿片王―満州の夜と霧―」(佐野眞一 著)が文庫化されたので、昨日さっそく購入。読み始めたら止められず、急ぎの仕事がないことをいいことに、ときに箸とページを交互に操りながら一気に読んだ。

推理小説にも似た本書の展開の手法もスリリングだ。著者はいつ幽明界を異にするかしれないような関係者から証言や新しい事実を聞き出し、60年以上も前に遡らなければならない謎や疑問がその時代の背景とともに少しずつ解き明かされていく。

戦前の中国で「阿片王」としてアヘンの密売に暗躍した里見甫、里見の片腕として異彩を放つ「男装の麗人」梅村淳やその母・うた、そして、東條英機、岸信介、甘粕正彦などといったビッグネームとともに彼らのまわりでうごめくまさに魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちの欲望のまがまがしさにどっぷりとひきこまれてしまった。また、うなるべきはその欲望がもやは昔日の幻などではなく、それは満州や上海でまかれた種が戦後の日本で花開くごとく、この現代にさまざまなかたちとなってつなながっていることである。

どんよりとした雲とじっとりした湿気に物憂さを感じていた僕にはちょいと“クスリ”が効きすぎた。ストーリーに充満する毒気と妖気にすっかりあてられたまま、ぼんやりとした心地が今も続いている。

阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫)

佐野 眞一 / 新潮社


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by suiminsha | 2008-08-01 18:03 | 昭和史